療育手帳・精神保健福祉手帳等所持者への予防接種がはじまりますが、
テレビやSNSで、不確かな情報が回っているのをよく見かけます。
ワクチンについては感染症専門家等で構成された下記サイトを参照し
正しく学び判断していただけるようお願いします。
下記に簡単なQ&Aを作成しましたので参考にしてみてください。
◎厚生労働省ホームページ
・新型コロナワクチンの有効性・安全性について
◎こびナビ・・・千葉大・ワシントンホスピタル・テキサス大
ロンドン大学等感染症専門家によって立ち上げられた
ワクチン説明チームのサイト
以下、こびナビ(医療者向けQ&A)から抜粋******************
Q:ファイザーはよく聞く名前ですが、モデルナはどういうものですか?
A:いづれも設計図(コロナの菌を除いた遺伝子情報のみ)を用いたmRNAワクチンで
無菌で、内容はほとんど変わりありません。
Q:そのmRNAワクチンは何で作られていますか?
A:いづれも3つの成分で作られており、すべてこれまでヒトに投与されているものです。
①mRNA本体(設計図)
②mRNAを包む脂質(脂質やポリエチレングリコールなど)
→ポリエチレングリコールアレルギーがあるとがアナフィラキシーが起きます。
造影剤や一部の化粧品に使用されているので、それらでアレルギー反応があった方は
医師に相談ください
③塩類・糖類・緩衝剤
Q:mRNAは遺伝子操作で作られたとききました、人に遺伝子に影響はないのですか?
A:コロナの遺伝子情報を用いたということです。また人のDNAに入り込むことはできません。
物理的にRNA(リボ核酸)はDNAに変換することはできないからです。
Q:mRNAは体内に残るのですか?
A:mRNAはすぐに分解されてしまいます。またタンパク質も
10日で分解され、残ることはありません。なので、何年先まで残る
こともありません。
Q:ワクチン開発には何年もかかると聞きました。
こんなに早く作られてのに大丈夫なのか?
A:2002年のサーズや12年のマーズのウィルス研究が進んでおり
コロナワクチンへ流用可能な技術はすでに確立していました。
遺伝子研究の技術革新が進んでおり、同時に臨床実験が実施されたこと
欧米では開発のための資金投与がされたこと
臨床実験と審査が連携して行えたこと等の理由です。
これまでの積み重ねの上でのワクチン開発ができたということです。
Q:副反応がすごいと聞きました。心配です。
A:副反応は免疫力の高い若い人に出やすく、高齢者では全くないなど
個人差も大きくあります。発熱したときは解熱剤(タイレノール)を
飲んでください。
(接種前に飲むとワクチン効果がなくなるので飲まない事)
二度目に出やすいのはそれだけワクチンで免疫が強化されるため体が
反応しているからです。一方で一度目の方が副反応が大きかったという
声もあります。それだけ個人差があるということです。
また、モデルナのほうがmRNA量が多いため副反応が強く出る傾向にあります。
二度目から2週間後に抗体が完成します。それまでは感染する可能性も高いので
マスク・ディスタンス・消毒等は怠わないようにお願いします。
Q:アナフィラキシーも副反応なのですか?
A:副反応は発熱や頭痛・腕の痛み等をいいます。
アナフィラキシーは前述の通りポリエチレングリコールへの反応
なので、化粧品や造影剤でアレルギーを起こした人は医師に相談しましょう。
花粉症・食物アレルギー・喘息・アトピーの人は接種可能です。
注射や接種への緊張で心因性の「血管迷走神経反射」を起こす人も
います。落ち着いて接種に望んでください。
Q:海外の薬品なので心配です。国産のワクチンを待った方がいいんでしょうか。
A:7月より武田薬品がモデルナ社のワクチンを管理しておりすでに出回って
います。現在の職域接種のワクチンは武田/モデルナと書いてあります
日本では200名の治験が完了し安全も担保されています。
また昨年の海外の治験では様々な人種でおこなわれており、且つ日本でも
60名程度の治験が施されており人種にかかわらず安全確認されています。
コロナの流行で国も独自の国産ワクチン製造への後押しを始めましたが
治験が進みにくいため、実用化まで数年がかかります。
それであれば早急に今あるワクチンを接種したほうが現実的と言えるでしょう。
Q:接種の時に注意した方がいいことはありますか?
A:肩への筋肉注射なので肩が出る服装(半袖Tシャツ等)が適切です。
前日しっかり睡眠をとり、水分を十分とると副反応も出にくいようです。
Q:接種後の注意はありますか?
A:インフルエンザの予防接種と同じです。激しい運動は避け、ゆっくり寝ましょう。
副反応が心配な時は翌日休むなどして無理をしないでください。
腫れや発熱があるときは接種後の解熱剤(カロナール・タイレノール等)服薬も有効です。
Q:コロナに罹った人はワクチンはしなくてもいいのですか?
A:罹患した人全員に十分な抗体ができるわけではないので、罹った人も
必ず接種しましょう。但し入院治療内容によっては完治90日後接種と
なるケースがあるので担当医に確認してください。
Q:万一ワクチンによって健康被害がおきた時の補償はあるのですか?
A:他のワクチン接種と同様に予防接種法に基づく救済(医療費・年金等)
があります。詳細は厚労省のサイトを参照ください。